過去の日本軍の残虐行があったことは認めるが、それは過去の話だ。何を今更‥‥という声は、日本人の中からはよく聞かれます。
「何を今更‥‥」と言う人は、それではいったい戦後のいつにおいて日本は「慰安婦」問題や「強制連行」問題などに「誠実な」対応をしたというのでしょうか。ただの一度も、被害を受けた人々の心に響くような言葉も行いもなしえなかったのが、私たちの日本政府の偽らざる姿ではないでしょうか。いや、それどころか、「南京虐殺はでっちあげだ」「慰安婦は売春婦だ」とうそぶく閣僚も後をたたず、とても「何を今更」などと言えたものではありません。
「戦後補償」問題は、決して過去の問題ではありません。侵略を受け、植民地支配の苛酷さの中で肉親を失い、心や体に深い傷を負った人々にとって、戦争の痛み・悲しみは常に「今」のものです。このコ−ナ−は、「今」まさに何が問題となっているのか、私たち日本人はこれから何をなすべきなのか、を問いかけるものとなっています。